今月からルサージュツイードのバッグの販売を始めました。
そこで今回のブログは、ルサージュについて紹介しようと思います。
うちでは、おかげ様でリントンツイードのバッグにご好評をいただいていますが、実はちょっと僕が悩んでいたのは、リントンツイードが華やかすぎるとか、洋服に合わせにくいと感じているお客様がおられることでした。
特に日本人のお客様に多い感じがしますね。
それで、リントンツイード以外の良いツイードがどこかないかなと思って探していた時に見つけたのが、ルサージュツイードだったんですよ。
ルサージュとシャネル
ルサージュ(LESAGE)というのは1924年に創業したフランスの名門刺繍工房で、オートクチュール・ファッションの世界をハイレベルな技術力で支えてきた伝統があります。
ルサージュが仕事を引き受けてきたハイブランドの中でも、特にシャネルとの関係は深くて、シャネルの代名詞にもなっている華やかなツイードを長年提供してきた工房なんです。
ちょっと調べてみたら、ルサージュとシャネルとのコラボが本格的に進んだのは、カール・ラガーフェルドがシャネルのアーティスティックディレクターに就任した1980年代の中頃かららしいですね。
カール・ラガーフェルドは、ココ・シャネルが亡くなった後に低迷していたシャネルブランドを立て直した功績のある人です。
その頃から、シャネルではフランスの伝統的な職人の技術を守りながら、彼らの力を生かしてファッションの最先端を切り拓いていこうという経営哲学があったようです。
その考えには僕も共感しています。
2002年になると、シャネルはパラフェクシオンという子会社を作って、フランスの名だたる伝統技術工房を次々に買収していったんですが、そのうちの1つがルサージュ。
ルサージュの他には、靴工房のマサロ、羽根細工とカメリアの工房ルマリエ、コスチュームジュエリーの工房デリュ、帽子工房ミッシェル、金銀細工工房のゴッサンスなどが、シャネルのメティエダール(芸術的な手仕事をするシャネル傘下の専門アトリエ)に加わっています。
洗練されたラグジュアリー感を楽しむなら、ルサージュツイード
ルサージュツイードは、手織りというのが大きなポイントですね。
手織りだから、生地がふわっふわなんです。
タテ糸を均一に張っておいて、ヨコに色んな糸を差し込んでいく。
刺繍のように「糸を差し込む」という発想で織られているんじゃないかな。
ヨコに差し込む糸のバリエーションが豊富で、生地の柄としてもリントンツイードのようなチェック柄じゃなくてボーダーなのがルサージュツイードの特徴です。
リントンツイードとの違いを他にも挙げるなら、ルサージュツイードは全体的にきつい色がなくて、繊細なニュアンスを楽しめるようなソフトな色を組み合わせているのも特徴ですね。
糸の質感としても、ルサージュの方がやさしい糸を集めて織り上げている感じがします。
きつい色がないにもかかわらず、華やかに洗練されたラグジュアリー感がある。
洋服とのコーディネートがしやすい色合いなので、採り入れやすいと思いますよ。
リントンとルサージュ。
両方とも素晴らしいし、シャネルのツイードを織っているのも共通しているけれど、その中で方向性が違うのが面白いと思います。
SEIJIROでは、これから半年に1回、ルサージュツイードのバッグを作る予定です。
今月は3色、次は10月頃に出ますので、お楽しみに!
リントンツイードとの違い、それぞれの良さに注目してみてください。